冬から春へ。

SNSもブログもちょっと間が空きました。

冬の野菜もいよいよおしまいが見えてきています。にんじんやかぶが少し、越冬して晩冬~初春にかけて収穫予定の高菜類、花菜類など残すところあとわずか。

昨年の同時期はまだまだ野菜が残っていました。記録的に暖かったですからね。たいして、今年の冬は…寒かったですね、ほんとに寒かった。十年に一度の寒波らしいです。野菜も凍ててダメになってしまったもの多数。落差激しいですね。冬は寒いものよ、という認識、こころづもりがどっかいってましたね。

来シーズンはどういう作付けにしようか、考えさせられます。

…と、来シーズンの冬のことを考える前に、冬野菜がいよいよ終わるということは、春野菜が始まるということ!

そうですね、今現在、農園では春に向けて少しずつ始動しているところです。(花粉症で頭がぼやーっとしつつ、種まき!苗植え!畑計画!いろいろ!と脳ミソがオーバーロードしてブログ更新に手が回っていなかったわけです)

育苗用のハウスの棚を製作し直しました。今年は今までで一番いい感じに棚ができました。来年はたぶんもっといいです。

すでにビニールを張り、育苗が始まっています。

おんぼろハウスのアーチを移築。雨よけでハーブを栽培します。今年の寒波でやられてしまった株が多く、仕切り直しのハーブも。

ようやく骨組みは完成、あとはビニールを張って春に備えるところまできました。

種まきは順々に。

例年、初弾はレタスやセリ科ハーブ類からです。この育苗も来年はもっとよくなる予定です。毎年言ってます、農家の常套句です、来年見てろ。

「このエリアに肥料を○○袋ぶんまんべんなく振ってください」とか何とか、指示をします。スタッフ皆で作業しますが、なかなか上手に指示をすることが難しい。スタッフもそれぞれ個性があるので、指示の仕方をひとりひとり考えながら出します。

現在のスタッフは皆仕事が丁寧ですが、言い換えると皆手がそんなに速くない。

それはただ手の動きの速い遅いももちろん大いに関係していますが、それ以上に誰しもが多かれ少なかれそうなのですが、目の前の作業に没頭するあまり、たいてい視野が狭くなり、丁寧な作業(たとえば草を100%抜き取ることにフォーカスする)に徐々に寄ってしまうものなのですね。

精度と速度はトレードオフです。

だから、仕事がある程度進んだタイミングで一度顔を上げて周囲を見回す、経過時間と作業進捗を見て、果たしてこのスピードは適正かを判断できるかどうかが重要になってくるわけです。そこはよく伝えます。

こういうことって癖とか性格も大いに関係しているので、何度伝えても…ということもあります。ここはもうこちらが伝え方をさらに工夫するか人によって作業内容を変えるか、しかないですね。

ここらへんをここ一、二年ほどは模索しています。そして少しずつ良くなってきている実感があります。これは嬉しい!作業時間を意識することはとても大切なことです。

冬野菜はもうない。が、ないものねだりしても仕方がありません。

ない野菜がないなら、育てればよし!ということで、エンドウを植えました。冬に種まいたもの。

春。

花粉症に負けじとがんばろう。

確定申告もがんばろう(笑)

にんじん自動洗浄機が仲間入り。

毎日のようににんじんを収穫しています。

紫にんじんは何となく終わりも見えてきましたが、西洋、黄色はまだ残っています。

収穫したにんじんはえっちらおっちら作業場まで持って帰ってきて、土を洗い落とします。

当初は当然手洗いをしていましたが、数年前に指浪製作所T-27タイプ汎用野菜洗い機を購入して画期的な洗いスピードに感動しました。

この洗い機の汎用性はほんとに素晴らしいですね。大根からかぶから人参はもちろん、ホウレンソウやら何やらの根っこまで洗えてしまいます。価格も10万円程度で費用対効果は計り知れなかったです。ほんとに大活躍!!ありがたや~。

まだまだ現役でがんばってくれていますが、今シーズンはさらに新しいお仲間が!!

洗い作業もいよいよバージョンアップ!!

同じくに指浪製作所にんじん洗浄機C-6、おおよそ15~20万円ほど。

動画こちら。

https://fb.watch/3nzmNXdChC/

いや、神がかってた…。自動洗い機をご使用の生産者の皆さんが見てた世界はこんなのだったのか…。

同じ容量のにんじんを洗うのに

T-27→10分
C-6→1~2分!!

ですからねー。本当に早い。先日はにんじん7箱を15分程度で洗い切ってくれました、圧倒的です。

よりパワーアップしてにんじんのお届けができそうです。

今後に乞うご期待!

※にんじんまとめ買い、まだまだオーダーお待ちしています!詳しくはこちらをご覧くださいませ!→にんじんまとめ買い2021

キラリオインテリアさんに動画撮影してもらう。

12月上旬、キラリオインテリアさんが動画の撮影にいらっしゃいました。

キラリオインテリアさん、農家のみならず様々な業種の方々のインタビュー動画をアップされています。おもしろいので、ぜひご覧くださいませ!

音吹の動画については何と二本立て!

一本は収穫中の“音”にフォーカスしたもの。しゃべくりはほぼない中、収穫中に聞えてくる音を拾ってPV風に仕上げてくださっています。

音吹畑の由来は、音が吹く。

虫の声、風の音、雨のリズム…などなど自然が発する音にふと気がつく時の、心のありようはとても穏やかです。

そんな穏やかな気持ちを忘れずに、見失わないように生きていこうと名付けました。

ハサミでパシパシ野菜を切る音。これもまた心地いい響き、ですねー!

こちらは二本目。

よくお話していることですが、農業や農家、農村の現実と非農家の見ているものには乖離がある、と。その乖離を直視せずにお互いの立場で考える主張を発するにとどまっても何も始まらない。

この問題点について、都市近郊でできる農業の形、農家の目指すところとしては、例えば日々の農作業の現場を体験してもらう、例えばマルシェで野菜を販売する(食べ手と作り手が直接やりとりする)などを手段として、ゼロ距離での何気ないコミュニケーションでその断絶を飛び越えていければ。

そのようなことを獣害を例にして、知らないことたくさんあるよ、とお話しています。

が、ほんとに口下手で、そんなに知識や経験がないので、話たいことのほんの少ししか話せていないですねー、こういうのって訓練でしか持ち得ないスキルですね…。勉強になりました。

お時間ある際にでもご覧くださいませ!

※キラリオさん、ありがとうござました!

久松農園がGg’sアテンドで大原朝市と大原農家ツアーに来てくれたお話。

10~11月中旬にかけて、極めてドタバタと、だが濃密に動いておりました。得た知見を頭の中だけに置いておくと、だいたいそのまま消え去ってしまいがち。整理して咀嚼してインプットしてかないと。

その濃密な動きの中、ハイライトが昨日。

15日(日)、【久松農園】の久松達央さんやスタッフやサポーターの皆さんが、【Gg’s】角谷さんのアテンドにて大原にご来訪くださいました!

朝市の時間帯からガッツリと大原の農に触れていただくという、何とも贅沢な、ありがたい企画!

photo by Mariko Kihira

久松達央さんと言えば、【キレイゴトぬきの農業論】【小さくて強い農業をつくる】で全国農業界隈で超有名な方です。

音吹園主にとっては、著書を拝読してから農に対する心構えがガラリと変わったほどで、心の師匠的立ち位置に君臨するスーパースターのお一人!

【Gg’s】角谷さんから、大原に来られます!とお話を聞かせてもらってからは、ウキウキと同時に、恐れ多さというか申し訳なさというか、畑に来てもらったところで何も見せられるものねーよ…どうしよう…とオタオタしておりました。

が、

そこはスターの、スターらしからぬ探求心?寛大さ?、そして【Gg’s】角谷さんの、人と人をつなぐ力と言いますか、おかげさまで事前にオンラインでお話させてもらうという、これ多分全国の農家さんには垂涎ものの、有り得ない機会までいただき、不安も払拭。

さらに、オンライン会議だけでなく、何と野菜セットまで事前に送っていただきました!

段ボールは当然のごとくにオリジナルのもの。

―そう言えば、うちもロゴマーク作る時、ロゴマークそのものの意味、いろいろな農園のロゴの由来を調べたくっていた頃、久松農園のロゴの記事もどこかで読みましたね。調べてみてください―

同梱されていたのは久松農園のパンフレットや野菜暦、野菜の保存方法やレシピなど。それらすべて食べる人目線なんですよね。これ忘れがちだけどとても大切なことやと思いました。

―農家ってマニアックな分野につっこみ独りよがりの職人的志向に陥りがちなので…。着いて来れない奴は着いて来なくていい!みたいな―

そして野菜。

箱から出して、音吹スタッフでセット内容を様々な角度から検証。ボードンパックは何号を使ってるね、土の質がこれなら土付きでいけそう、パッキングはこんな感じなんだ、といろいろと。

大原との比較をしながら、非常に楽しい時間。

もちろん野菜は絶品です。美味しい。どの野菜もエグ味がない。おそらく高技術だからこそ成せる再現性の高さで、毎年大きな差がない味でお届けできているのではないだろうかと想像。

狙って野菜を育てる、って実はめちゃくちゃハードルが高い。口ではいろいろ言ってるけど、野菜見たら、あーうんうん、そうねそうなるよね…って農家さんが多い中、野菜そのもので納得させるって…いやーレベル差を実感しました。

音吹では一エリアの圃場見学と作業場見学を。

圃場では、土を掘って、土質を見てもらったり、野菜を実食してもらえました。ちょっと見られただけで驚くほどのアドバイスや情報が…。引き出しの多さがすごかった。

photo by Mariko Kihira

作業場には、音吹所有の農機や設備、経営状況データなど諸々を資料として置いておいたので、それを見ながらアドバイス頂戴したり、農具の説明を受けたり。

photo by Mariko Kihira

前述しましたが、著書はキレッキレの文章なので、オンラインでお話する前までは、実は相当ビビっておったのですが(笑)―やべーガツガツつっこまれたら立ち直れねーぞ、と―と全くそんなことはない。

あー、この方の周囲はそら人集まるわ、という感じでビッグネーム感をさらけ出さずに人と接しておられて、また膨大な経験に裏打ちされた知識をとてもわかりやすく言語化して、もったいぶらずにバッシバシ伝えてくださるので、素人でも接しやすい。

音吹園主の今の課題のうち、抽象的な課題のひとつとして人間力アップ!を掲げているのですが、そうねこんな立ち居振る舞い必要やね…という。そんなところまで本当に勉強になりました!

ここで得た知見をちゃんと落とし込んで、日々の農作業と野菜に還元できるようにしていきます。

photo by Mariko Kihira

最後に、偉そうに圃場と野菜の説明をする園主。

あと、今回は圃場ガイドとして大原農家仲間や随行者として京北から【okulu】吉田さん、【あらい農園】新井くん他、も。いい機会でした!

今後に活かせますように!

獣害と向き合う。

朝晩はもう肌寒い大原です。毎週日曜日早朝開催の大原ふれあい朝市ではいよいよ焚火が始まりました。

早朝、霜が降りるのももうすぐですね。

大原は盆地です。山がとても近い距離にあります。日本全国どこでもそうでしょうが、山際の農地は、深刻な、ある問題に直面しています。

さて、それは…

鳥獣害、です。

鹿、猪、猿をはじめ、アライグマ、ハクビシン、カラスと農作物に被害をもたらす有害獣は数多くおります。

大原でも、ぼくが就農した12年前はそうでもなかったのですが、獣のプレッシャーが年々高まってきています。

特にひどいのは鹿です。

鹿は起きてる間中ずっと何か食べている反芻動物で、被害の範囲も広いです。また食べる植物の種類も豊富で、山の中は地肌むき出し、木々の新芽は育つ前に食べられてしまう状況がそこかしこで見られます。

90年代から徐々に鹿の数は増えて、現況、個人農家ではなかなか手に負えないレベルにまで至っています。

様々な要因が鹿の増加を招いているようですが、どうやら

①山際での人間活動の減少(農村に農家がいない、あるいはいても山に入らない)

②猟師が少ない

といった、獣と人の境界線がどんどん浸食されてきていることが何よりの要因のようですね。猟師さんが仰るには鹿はずいぶん長い期間、保護獣としてみなされてきたため狩猟圧を掛けにくかったため増えた、とも。

そもそも100年も以前は、季節を感じて土とともに暮らす農村暮らしが基本。その時代の冬場は雪も降って、春夏秋に比べて、やれることが少ない。

そんな冬場の、男たちの娯楽、実益を兼ねた娯楽として狩猟は日常的だったようで、おかげさまで、それはそれは山の獣は現在では考えられないほど少なかったようですよ。

鹿については高槻成紀の【シカ問題を考える】が読みやすかったです。

さて、

音吹でも年々ダメージのある圃場が増えてきています。

音吹の獣害柵環境は、

①電柵
②ワイヤーメッシュ横置き(高さ1m)
③ワイヤーメッシュ横置き(高さ1m)+獣用ネット(高さ1.5m)

と段階的に変化してきています。

現在は③の状態ですが、ネットは降雪や風で倒されやすく、柵修復コストが毎年かかります。

それでもこれまではある程度軽微なダメージで済んでいましたが、

今年はダメですね。

虎の子、レタスにも、まさに今朝早朝、いよいよ結構な範囲で食害が見られ始めて、さてどうしたものか、と。

そろそろ
④ワイヤーメッシュ縦置き(高さ2m)

にしてしまうことを検討しています。

物理防御はコストがかかります。資材費だけでなく、設置するための作業日数もかかるため、当然人件費もかさみます。そこまでして守っても、土地を借りてる身としては、売却するから返して、と言われる可能性もゼロではないので、何とも踏ん切りの付きにくい投資ではありますね。

九州の平場で修行していた頃は獣害なんて考えたことなかったので、山に近い里山での営農の厳しさを毎年思い知らされます。

ちなみに、農水省の統計(H29年)では
日本の耕作面積約400万haうち、獣害被害のあった耕地面積5.3万haだそうです。

なんと、そんなに微々たるものなのですね!

オレなぜ山際で農業やってるんだろう(笑)

そりゃ獣対策に投下できる国家予算は限定されますよね。

獣が与える被害は、直接的には農林業者だけかもしれませんが、間接的には回り巡って都市住民にも影響を与えるものです。

鹿や猪に対する感情として、ぼくは愛をもって接することが、もう全くできず、ダムに落ちた猪がかわいそうだと世論が高まり救出し山に帰すというニュースをいつぞや見た時に、本当におめでたいことだな…と呆れた覚えがあります。

かわいそう、助けてあげて、彼らは悪くない、悪いのは人間、と都市住民。

なぜわざわざ野にかえすのだ、と農家。

この溝を埋めるには乗り越えることがいっぱいありそうですが、見えないものにはフタをし続けて便利な生活を続ける現代において、そもそも埋まり切るものなのか。

現代社会で生きるには、見るものをいろいろと選択していかないとダメなんでしょうか。

いろいろと考えさせられます。

が、だ!

まずはこの冬の稼ぎがなくなって給料払えなくなるやんけ…問題を何とかせねば!!

※南丹の369商店さんが最近FBにポストした内容。除草剤についての問題。これもまたある一面では同じような問題をはらんでいますね。